Liquid biopsyを用いた遺伝子解析技術は、低侵襲な診断法であり、precision medicineの為のコンパニオン診断薬(CoDx)およびモニタリングツールとして有用である。
がんにおけるLiquid biopsy研究として、circulating tumor cell、circulating tumor DNA(ctDNA)およびエクソソーム等を用いた分子異常検出の臨床的有用性を示す臨床研究がすすめられている。
Liquid biopsy中の微量核酸を用いた検出にはdroplet digital PCR, Beaming 法などのdigital PCR及び 次世代シーケンサー(NGS)を用いたdeep sequencingにより分子異常を検出する。ctDNAを対象とした分子バーコード法、CAPP-Seq等の技術の開発により、高感度に網羅的な遺伝子解析が可能となった。 digital PCRおよびNGSを用いて、遺伝子増幅のサロゲートであるcopy number alteration (CNA)検出も可能となった。
Liquid biopsyの臨床における実用化例としては、海外ではdigital PCRのCE-IVD化が進み、非小細胞肺がん患者を対象としcobas® EGFR mutation v2がFDAのIVD承認を得た。我が国においても2016年12月26日、非小細胞肺癌に対して、EGFR T790M遺伝子変異検査が血漿検査を対象に追加承認となった。リキッドバイオプシーは本格的にコンパニオン診断薬として実地臨床で使用されるようになった。
今後のLiquid biopsyの体外診断薬承認に向けて、臨床feasibility試験の段階から、基本性能試験、臨床性能試験のステージにすすめる必要がある。達成すべき腫瘍部との一致率、品質保証等、承認に必要なエビデンスの創出等の課題について議論したい。
本セミナーではがんのprecision medicineの為に注目されるLiquid biopsyを用いた遺伝子解析技術を紹介する。特に、がん免疫チェックポイント阻害薬のバイオマーカー探索への利用法にも焦点を当て、CTC-PDL-1免疫染色法の研究動向などにも注目する。
近畿大学 医学部
西尾 和人
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