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埋もれた宝を発掘し、地方を活性化する「地域商社」

2017-12-22 NEW!
カテゴリ:つぶやき

 

11月23日放送のカンブリア宮殿『地方を盛り上げる切り札! いま注目の「地域商社」の全貌』

の回、ご覧になられましたか?

 

昨年7月、第1回地域商社協議会なるのものが開かれました。これは、地域の将来を支える名品

等の地域資源を最大限生かした市場の開拓を目指し、司令塔の役割を果たす「地域商社」の

設立・普及と、その効果的な事業展開をめざし、官民共同で実施運営する協議会ということで、

今年の11月には、もう8回目の協議会が行われています。

 

そうした努力もあってか、今や地方経済を活性化しようと、全国各地に「地域商社」が誕生し

ているそうで、特産品はもとより、観光資源なども含めて地域を丸ごと国内外に売り込んでい

るらしいのです。市場動向を探って「地産外商」で地域内に利益をもたらし、新事業を立ち上

げていく集団…それが「地域商社」というわけです。今回は、そんな地域商社で大きく成功を

収めているファーマーズ・フォレストが主役。

 

ファーマーズ・フォレストの松本社長は、不動産会社の一社員として、業績不振の温泉旅館や

商業施設の再生を行い、軌道に乗ったらすぐに売却するという仕事をしていたそうです。そん

な折、赤字だった【ろまんちっく村】を見て、「再生して売却するのではなく、再生した上で

じっくり育てる仕事がしたい」と思ったそうです。そうして立ち上げられたのが、不動産会社を

辞めてスタートさせたファーマーズ・フォレスト。

 

もともと第3セクターが手掛けていた農林公園を、【道の駅うつのみや ろまんちっく村】とし

て再生し、今では年間140万人が訪れる大人気の道の駅にしています。東京ドーム10個分という

広大な敷地の中では、地場の珍しい産品を並べた売り場が多くの客を引きつけ、地場食材をふん

だんに使った飲食店や、温泉、プール、ホテル、地ビール工房などもあって、いわゆる「道の

駅」の概念を超えた施設となっています。松本社長は、この道の駅だけでなく、廃墟と化してい

た「大谷石の採掘場跡」を整備して観光ツアー商品にするなど、栃木県そのものの再生も手掛け

ています。

 

冒頭でお話した「地域商社」のフロントランナーとして、他の地域からも手本とされている

ファーマーズ・フォレスト。松本社長は、ろまんちっく村以外にも、地元農家から農産物を

集め都内のスーパーの直売所コーナーに置いてもらう仕組みを構築したり、栃木産品の通販

ギフト誌「トチギフト」を制作・発行したりと、あらゆる手法で栃木を売り込む販路づくりに

奔走していました。そうして、地方都市ならではの流通の形を造ろうとしているのです。

 

今、1年の半分は沖縄にいるという松本社長。沖縄県うるま市に来年オープンする直売施設の

運営をファーマーズ・フォレストが受託したのです。松本社長はこう話されていました。「沖

縄の産品は大都市では既に飽和状態。しかし、栃木を始めとした地方にはほとんど出荷されて

いない。地域と地域を結ぶことで、新たな市場が創出されるのではないか」と。

 

特定の地域内だけに利益をもたらす「地域商社」ではなく、地方同士をつなぐ、広がりを持っ

た地域商社としても、今後、とても楽しみな会社です。こうした個人の利益を大きく超えて、

みんなの利益を生み出していく取組…おのずと応援したくなるものです。
 

 

 

 

 

 

 

 

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